Monday, July 06, 2020 10:14 AM

批准失速、機運は低迷 核禁止条約3年で試練

 【ニューヨーク共同】核兵器の保有や使用を禁じる核兵器禁止条約の採択から7日で3年。これまでに38カ国・地域が批准した。発効にはあと12必要だが、各国は新型コロナウイルス対応を優先し、批准の動きは失速。核軍縮の機運は低迷し、年内発効を目指す非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」は試練に直面している。

 米英仏中露の核保有五大国に加え、非保有国との橋渡し役を自任する日本も署名を拒否。4〜5月に予定された5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は新型コロナの影響で延期され、来年1月開催で調整が進んでいる。核禁止条約が焦点の一つになるとみられ、ICANはそれまでに批准数を積み上げたい考えだ。

 核軍縮の環境は厳しい。昨年8月に米露間の中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し、来年2月が期限の新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉は、米国が中国の参加を主張し膠着。米露核軍縮の枠組みは消滅の瀬戸際だ。核保有国はそれぞれ核兵器の近代化を進め、トランプ政権は核実験再開を議論したと報じられた。