Wednesday, July 08, 2020 10:23 AM

WHO、米政権交代に期待 脱退、双方に打撃

 【ジュネーブ共同】トランプ政権が、世界保健機関(WHO)から来年7月6日付で脱退すると国連に正式に通告した。脱退が確定すれば、最大の資金拠出国を失うWHOだけでなく、米国も公衆衛生の観点から大きな打撃を受ける。WHO筋は、今年11月の米大統領選で政権交代が実現し、脱退を即座に撤回することを期待している。

 米疾病対策センター(CDC)や国立衛生研究所(NIH)など、公衆衛生分野で世界に冠たる組織を持つ米国。WHOへの貢献は資金面だけでなく、科学的な知見や、人材供給という面でも計り知れない。

 一方、米国もWHOから恩恵を受けている。季節性のインフルエンザは毎年流行する型が異なるため、年に2回、WHOは世界各地から集めた検体の情報を基に、どの型に対応するワクチンを接種すべきかという指針を各国に提示する。米国にとっても重要な情報だ。