Friday, June 06, 2025 6:59 AM

加州南部の港湾経済に大打撃〜トランプ関税

 トランプ大統領による関税の実施、特に中国製品に対する高い関税は、南カリフォルニアへの貨物船の流れを止め、港湾業務に依存する地域経済に深刻な打撃を与えている。

◇コンテナ船入港が17%減

 ウォールストリート・ジャーナルによると、貿易と物流は南カリフォルニア経済の大きな柱で、直接雇用は約90万人に上り、地域全体で約5000億ドルの経済効果を生み出している(ロサンゼルス郡経済開発公社)。

 ロサンゼルス港とロングビーチ港という隣接する二つの港は、一つの巨大な複合港湾として機能し、米国最大のコンテナ輸入拠点として全米コンテナ輸入量の3分の1以上を扱っている。その半分以上は中国からの輸入で、2024年は中国から推定1300億ドル相当の商品がこの港を通過した。

 ところがこの4月は、同月に発動される一連の高関税措置を見据えた小売業者や製造業者が家具、衣料品、原材料、自動車部品などの注文を3月のうちに保留するか取り消したため、船会社は中国から米国へのコンテナ船航行を数十件取りやめた。関係者によると、5月前半のコンテナ船入港は前年同期比で17%減少し、入港した船の積荷も通常より少なかったという。