Friday, March 27, 2026 7:13 AM

AI「オープンクロー」が大ブーム〜「次のチャットGPT」とエヌビディアCEO

 今年に入り、人工知能(AI)エージェント「OpenClaw(オープンクロー)」がテック業界で大ブームを起こしている。AIが自律的に考え、パソコンを自在に操作して人間の業務を代行してくれる高い性能が人気に火をつけた。半導体大手エヌビディアのフアンCEOが「次のチャットGPTだ」と太鼓判を押すオープンクローの利点と課題は。(時事通信社シリコンバレー支局 岩嶋紀明)

◇24時間働く専属秘書

 オープンクローは、オーストリア出身のエンジニア、ピーター・スタインバーガー氏が開発し、2025年11月に公開したAIエージェントソフトだ。文章で指示を与えれば、その内容や文脈を判断し、自律的にパソコン(PC)の操作まで完結してくれるのが最大の特長。フォルダ内のファイルを読み込んだり、ウェブブラウザー(閲覧ソフト)を操作したりすることができる。

 例えば、「経費精算しておいて」と指示すれば、PC内に保存されたデータを参照し、ブラウザーから会計サービスを操作して自律的に申告することも可能。ウェブページの巡回や、受信したメールを確認して自動で返信することなど朝飯前で、PCの中に24時間働く自分専属の秘書がいるようなものだ。

 各社が開発している大規模言語モデル(LLM)を選んで使うことができ、外部のツールとも柔軟に連携できる。秘書に必要な機能を自分で構築できるのがオープンクローの利点だ。

 オープンクローは設計図が公開された「オープンソース」と呼ばれるソフトウェアで、第三者が自由に改変して使うことができる。中国ではすでに、騰訊(テンセント)やアリババ集団などIT大手がこぞってオープンクローを組み込んだ新サービスを発表。オープンクローのエビをかたどったアイコンから「ロブスター」の愛称で親しまれ、一種のブームになっているという。

 IT大手トップからも熱い注目を浴びている。フアンCEOは3月に開催した年次開発者会議「GTC」の基調講演で、オープンクローはAIエージェントの基本ソフト(OS)だと述べ、パソコンにおけるマイクロソフトのウィンドウズのような重要性を持つと指摘した。直後に行われたCNBCによるインタビューでも、「オープンクローは間違いなく、次のチャットGPTだ」と強調し、ビジネスを一変させ得る存在だとの認識を示した。

 そのチャットGPTを提供するオープンAIのオルトマンCEOは2月中旬、X(旧ツイッター)上で開発者のスタインバーガー氏を採用したことを発表。氏を「AIエージェントに関する興味深いアイデアをたくさん持っている天才」と称賛し、そのアイデアは「すぐに我が社の製品の中核になるだろう」と述べた。