Thursday, March 26, 2026 7:02 AM
石油危機、ガソリン車への打撃はEVの5倍
米イスラエルの対イラン軍事作戦による世界的な燃料高騰で、内燃エンジン(ICE)車のドライバーはEVオーナーの5倍の経済的打撃を受ける可能性があるとの試算を、欧州の環境団体Transport & Environment(T&E、本部ベルギー)が発表した。
インサイドEVsによると、T&Eは報告書で、原油価格が1バレル=100ドルを超える状態が続いた場合、欧州での走行距離100キロメートル(km)当たりのコストは、ガソリン車では14.20ユーロ(3.80ユーロ増)に上昇する一方、EVは6.50ユーロ(0.70ユーロ増)にとどまると推定している。分析は、直前の石油危機(2022年にロシアがウクライナに侵攻した後)のデータに基づいて行われた。
影響の規模は、電力価格や電源構成が違う国ごとに異なるが、電気料金はガソリン価格ほど原油価格に連動しないため、EVドライバーの方が石油危機の影響を受けにくいという点は共通している。さらにEVは、原油や天然ガス価格の急騰で直接的な影響を受けない再生可能エネルギー由来の電力が使える点も有利だ。
EVはすでに、欧州の石油依存低減に寄与している。欧州連合(EU)は昨年、自動車用途だけで約10億バレルの原油を輸入し、670億ユーロのコストがかかったが、800万台を超えるEVの普及によって約4600万バレルの消費が回避され、約29億ユーロの節約につながったとみられている。
この傾向は今後も続く見通しで、ロイターによると世界のEV販売は2026年2月に前年同月比11%減少(中国の32%減、北米の35%減が主な要因)したが、欧州では21%増加した。国際エネルギー機関(IEA)も「より電動化が進み、効率的で、再生可能エネルギーを豊富に活用した発電システムに移行すれば、化石燃料価格の変動に対する全体的なリスクが低減される」と指摘する。