Tuesday, July 28, 2020 10:19 AM

ウイルス対策技術開発へ オゾン活用、東北大など

 東北大と、広島県福山市の空調機器製造などの「ポエック」は28日、空気中を漂ったり物体に付着したりするウイルスに対し、オゾンなどで効率的に感染力をなくす技術の開発を始めると発表した。新型コロナウイルス対策への応用も期待されており、入手しやすい10万円前後の低価格帯の製品を優先して開発する方針。

 オゾンは三つの酸素原子からなり強力な酸化作用を持つ気体で、除菌や消臭などに用いられている。研究では同社のオゾン発生機器を活用。大学の放射光施設で、オゾンがウイルスを不活性化させる仕組みの解明を進める。10億分の1メートルまで微細化した気泡「ナノバブル」とオゾンを組み合わせて効果を高める技術の開発も目指す。

 ウェブで記者会見した東北大大学院の原田昌彦教授(分子生物学)は「新型コロナは世界的な問題だ。廉価で効果的な抗菌システムで貢献したい」と強調。同社の釆女信二郎社長は「安心して利用される製品開発を推進したい」と話した。(共同)