Wednesday, October 05, 2016 10:21 AM

核軍縮訴訟、実質審理せず 国際司法裁、管轄権なし

 オランダ・ハーグの国際司法裁判所は5日、多数の核実験の舞台となった太平洋の島国、マーシャル諸島が核保有国の英国、インド、パキスタンに核軍縮義務の履行を求めた訴訟で、同裁判所に管轄権はなく実質審理は行わないと判断した。訴えは門前払いとなった。

 英国、インド、パキスタンはいずれも、同裁判所に提訴された裁判の受け入れを義務付ける「強制管轄権」を受諾しているが、同裁判所は、提訴時に当事者間に明確な意見対立を伴う法的争いがあるかどうかが審理の要件だと指摘。マーシャル諸島との間に核軍縮を巡る争いはなかったとした3カ国の主張を認めた。

 英国の主張を認めるかどうかの判断は、判事16人の賛否が同数だったが、決定投票権を持つ裁判所長が賛成した。(共同)