Wednesday, October 05, 2016 10:23 AM

東電問題決着へ他電力提携 柏崎刈羽原発の再稼働焦点

 経済産業省は5日、東京電力ホールディングスの経営問題の決着を目指す有識者による「東電改革・1F(福島第1原発)問題委員会」の初会合を開き、経営改革と福島第1原発の廃炉費用支援の本格検討に着手した。再建には原発や送配電事業で他の地域の大手電力と提携が不可欠との方向性を示し、収益改善には柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が焦点になるとした。支援費用が増大して電気料金に上乗せされ、国民負担となる懸念がある。

 東電は東日本大震災による福島第1原発事故後に策定した再建計画を2回にわたり抜本的に改定したが、再建のめどは立っていない。委員会は年内に政府への提言案をまとめる。これを受けて東電が来年1月に新たな再建計画を示す。

 委員長を務める伊藤邦雄一橋大大学院特任教授は会合で「東電改革は福島復興の基礎であり、電力改革のさきがけとなる」と強調した。オブザーバーとして参加している東電の広瀬直己社長は会合後、記者団に廃炉費用に関し「制度的な措置を作ってもらい債務超過のリスクを取り除いてほしい」と述べた。(共同)