Thursday, October 06, 2016 9:57 AM

米テロ損賠法で報復懸念 サウジ反発、修正検討も

 米中枢同時テロの被害者に外国政府に対する損害賠償請求を認める法案が、米議会でオバマ大統領の拒否権を覆して成立、サウジアラビア政府が米国債の売却もちらつかせて反発し波紋を広げている。「報復」として米軍要員らが海外で訴えられる恐れもあり、早くも修正検討の動きが出ている。

 米上下院で「テロ支援者制裁法」が再可決された翌9月29日、共和党のマコネル上院院内総務は「さらなる議論が必要だ」と指摘。ライアン下院議長も、米兵が訴訟の対象になる事態を回避するために年内の法修正を検討する意向を示した。

 同法はテロに関与した政府を相手取った訴訟を可能にする内容で、中枢同時テロの実行犯の多くがサウジ国籍だったことからサウジを念頭に置いている。今年、中枢同時テロ発生から15年となるのを契機に遺族らが法成立を働き掛けていた。(共同)