Friday, September 04, 2020 10:43 AM

台湾、対欧州関係強化狙う チェコ議長が訪問日程終了

 【台北共同】東欧チェコのビストルチル上院議長一行が4日、台湾訪問の公式日程を終えた。蔡英文政権は民主主義や自由といった基本的価値観を共有しているとアピールし、外交関係がないチェコと「パートナーシップ関係を切り開いた」と意義を強調。欧州各国との実質的な関係強化への突破口にしたい考えだ。

 「私は台湾人だ」。ビストルチル氏が1日の立法院(国会)で行った演説。中国語でこう呼び掛けて台湾との強い連帯を示すと、議場の全議員が立ち上がり、万雷の拍手を送った。蘇貞昌行政院長(首相)は翌日同氏と会談した際に「毎年議会で演説しているが、あんな熱烈な拍手は一度ももらったことがない。非常にうらやましい」と笑いを誘いつつ「台湾人が感動した」と伝えた。

 中国は同氏の訪台に強く反発、チェコに対して「高い代償」を伴うと警告した。だが、台湾の呉外交部長(外相)は記者会見で「欧州各国は中国の言動に反発している」と指摘。中国の強硬姿勢によって台湾と欧州各国との距離は逆に縮まると見込んでいるのか、表情に余裕が浮かんだ。