Thursday, September 17, 2020 10:11 AM

ボーイングが欠陥隠蔽 主力機事故、安全より利益

 【ニューヨーク共同】航空機大手ボーイングの主力機737MAXが起こした2度の墜落事故を巡り、議会下院の運輸経済基盤委員会は16日、原因調査の最終報告書を公表した。ボーイングが設計上の重大な欠陥を隠蔽したと認定し「安全より利益を優先する体質が事故を招いた」と厳しく批判。連邦航空局(FAA)による審査の不備も指摘した。

 ボーイングは737MAXの運航再開に必要な手続きを進めているが、承認取得の時期は明確になっていない。報告書を受けた16日の声明で「2度の事故と過ちから多くの教訓を学んだ」とコメントした。ただ、今回の事故で信用が失墜。新型コロナウイルス感染症の流行が追い打ちとなって航空機の需要も激減しており、経営再建には視界不良が続く。

 報告書によると、機首が上がり過ぎて失速するのを防ぐため自動的に機首を下げる装置のソフトウエアの欠陥を認識しながら、FAAに必要な情報を提供せず、航空会社に納入したことが事故を招いた。競合する欧州エアバスの新型機に対抗するため開発を急いだことなども指摘した。