Tuesday, October 11, 2016 10:21 AM

クリーン・エネルギーへの投資で巨利〜ゴールドマン・サックス、さらに強化

 ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、投資を通じてクリーン・エネルギー業界に多大な影響を及ぼしている。

 フォーチュン誌によると、同社は、クリーン・エネルギー関連の開発事業や技術に対して向こう10年間に1500億ドルという巨額を投資する計画を打ち出している。しかし、このほど発行された同社の報告書によると、同社は、多大なる影響をすでに及ぼしていることが分かった。

 同社の報告書によると、クリーン・エネルギー関連投資はすでに410億ドルに達し、投資先は89社に上る。それらの企業の発電するクリーン・エネルギーは合計31ギガワット、雇用人数は12万9000人以上、2015年の売上高は340億ドルに達する。

 同社の投資案件は、太陽光や風力の大型発電所開発事業から、建物改修といったエネルギー効率化事業、新しい送電網基幹設備の整備事業、さらには業界企業への株式投資といった多岐にわたる。

 同社の環境市場事業部責任者キュンアー・パーク氏は、2015年に開かれた業界会議で、再生可能エネルギーのシステム設置のほうが従来型エネルギーのシステム設置よりも2015年時点で多くなったと説明。ただ、新しいエネルギー技術による変革は、「幅広い経済の移行という点ではまだ序盤戦だ」と同氏は指摘した。

 同社の投資先は、物理的にも多数の国に広がっている。米国やメキシコの大型風力発電所をはじめ、米国の屋根上ソーラー・パネル、日本の太陽光発電会社、ペルーの風力発電会社が含まれる。

 ゴールドマンは、それらの投資によって大きな利益を出しており、その巨額利益ゆえに論争を巻き起こしたこともある。デンマークの公益会社で世界最大の洋上風力発電開発企業であるドング・エネルギー(Dong Energy)への投資では、出資からわずか2年の今夏、同社が株式上場したことから、ゴールドマンは巨額の利得を獲得した。それを受けてデンマークでは、投資実行時の評価額が低すぎたと批判する抗議運動が起こった。

 ゴールドマンでは、2012年以降の410億ドルの投資によって、7400万トンの温室効果ガスが相殺されたと報告している。その排出削減は、7000万エイカーの森林保護、または1600万台の自動車削減に相当するという。

http://fortune.com/2016/10/06/goldman-sachs-clean-energy-investment/