Friday, October 16, 2020 10:35 AM

ロシア、米の焦り見越し動かず 新START延長巡り

 【モスクワ共同】来年2月に期限が切れる米国とロシアの新戦略兵器削減条約(新START)を巡り、トランプ政権が延長合意に向けて前のめりになっている。ロシアは米側が11月3日の大統領選を前に外交分野で得点を挙げようと焦っているとみて動かず、譲歩を引き出そうとしている。

 米国のビリングスリー大統領特使(軍備管理担当)は13日、「全ての核戦力を凍結する」ことを条件に新STARTを一定期間延長する提案をロシア側にしたと明らかにし、合意に楽観的な見通しを示した。ポンペオ国務長官も14日、早期合意に期待を示した。

 米側は、ロシアが新STARTの制限を受けない中・短距離の戦術核を増強して北大西洋条約機構(NATO)諸国の脅威になっていると受け止め、条約延長に合わせて戦術核の制限を狙っているとみられている。