Wednesday, October 21, 2020 10:36 AM

中国含む枠組みへ時間稼ぎ 米、大統領選でアピールも

 【ワシントン共同】トランプ政権は20日、来年2月に期限が切れる米露の新戦略兵器削減条約(新START)の延長に前向きな意向を表明した。中国を含めた枠組み構築へ時間を稼ぐと同時に、新たな兵器を条約の対象に含められれば11月の大統領選へのアピール材料になるとの打算も透ける。米専門家からは拙速な合意を不安視する声も上がる。

 トランプ政権はこれまで、延長を求めるロシア側に対し、軍事力を高める中国を含めた新たな枠組みが必要だとし、難色を示してきた。新STARTを1年間延長し、中国との交渉期間を確保する狙いとみられる。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、米側は新STARTで1550までに制限された配備戦略核弾頭数以外に、短距離ミサイルに搭載された核弾頭や、未配備の核弾頭も対象に加えることを構想。合意できれば、大統領選に向けた外交成果になり得るとの思惑もありそうだ。