Thursday, October 22, 2020 10:26 AM

教育費贈与の優遇延長へ 政府、適用は厳格化も

 子供や孫への教育資金の贈与が一定額まで非課税となる特例措置について、政府が2021年3月末までとしている適用期限を延長する方向で検討することが22日、分かった。新型コロナウイルス感染拡大で子育て世代の雇用・所得環境が厳しくなっていることに配慮する。一方で、優遇措置が経済格差の固定化につながるとの指摘もあるため、適用条件の厳格化も視野に入れて21年度税制改正で議論する。

 非課税措置は、教育費の安定確保と若年層への資産移転を図るとして13年度に導入された。30歳までの子供や孫の名義で信託銀行などの金融機関に口座を開設し、入学金や授業料といった教育資金を一括で入金すると、1500万円を上限に贈与税が免除される。19年度改正では、お金をもらう側に1000万円の所得制限を設けた上で21年3月末まで延長した。

 ただ信託協会の公表実績によると、導入当初の13年4〜9月に約4万件だった新規契約数は、19年10月〜20年3月は約5000件にとどまり、21年度改正でも「教育無償化など公的な支援が整ってきたことへの考慮が必要だ」(財務省関係者)との声が出ている。富裕層に有利な仕組みだとの指摘もあり、対象の縮小を視野に入れ、延長期間を慎重に検討する。(共同)