Monday, November 09, 2020 9:12 AM

ロシア、関係改善に悲観的 新START延長に期待も

 【モスクワ共同】ロシアでは、米国で民主党のバイデン氏の政権が発足しても「冷戦後最悪のレベル」とされる対米関係の改善はないとの悲観的な観測が支配的だ。ただバイデン氏は、来年2月に期限を迎える米露間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長に前向きで、軍縮や国際合意復帰では期待が高まっている。

 バイデン氏は選挙期間中にロシアを「米国や同盟国の安全保障上最大の脅威だ」と指摘し、過去にはロシアによるウクライナ南部クリミア半島編入を厳しく非難。ロシアに融和的なトランプ大統領にも批判的で「ウクライナやベラルーシ、ロシア国内の人権問題などに絡み、米露関係はより困難になる」(国際政治学者アルバトフ氏)との見方が広がる。

 プーチン大統領は「米国の二大政党はロシア抑止の立場で一致している」と主張し、米内政の権力闘争にロシアが利用される限り関係改善は困難としてきた。一方、バイデン氏の新START延長に肯定的な姿勢を「非常に重要」と評価。原油価格安定や貿易など協力できる分野を模索する構えだ。