Monday, November 30, 2020 9:23 AM

生殖医療法案、条文削除を 日本障害フォーラムが反発

 第三者が絡む生殖補助医療で生まれた子どもの親子関係を明確化する民法の特例法案の中に、障害者らに不妊手術を強いた旧優生保護法を思い起こさせる条文があり「不安と誤解」を与えるとして、国内13の障害者・関係者団体で構成する「日本障害フォーラム(JDF)」が30日、国会に条文削除を求める緊急要望を出したことが分かった。

 法案は今国会に提出され既に参院を通過しており、JDFの緊急要望は衆院法務委員会宛て。身体、知的、精神と障害の種別を越えて、国内の主要障害者団体などが名を連ねるJDFの要望が、法案の行方に影響を与えるかどうかに注目が集まる。

 JDFが問題視するのは、生殖補助医療により生まれる子が「心身ともに健やかに生まれる」配慮を求める法案の理念に関する条文だ。一見問題なさそうな条文を批判する背景には、法律の理念に「命の価値」に通じる記述がなされることへの障害分野の歴史を踏まえた懸念がある。(共同)