Tuesday, December 15, 2020 9:33 AM

小惑星の砂、持ち帰り成功 はやぶさ2カプセルに多量

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、オンラインで記者会見し、探査機「はやぶさ2」が地球に届けたカプセル内で、直径数ミリと肉眼で見ることができる多量の黒い砂を確認したと発表した。カプセル内で検出していた気体(ガス)も含め、小惑星りゅうぐうで採取したものであることは確実としており、計画責任者の津田雄一教授は「明らかにりゅうぐうで採取された砂が相当量入っている」と説明。地球外から試料を持ち帰るサンプルリターンに成功したと表明した。

 初代はやぶさが2005年に採取した小惑星イトカワの試料は肉眼では見えない微粒子で、約1500粒しか見つかっていない。今回は既に確認した分だけでも「どっさりと入っていた」(JAXA)としており、目標の0.1グラムを大きく上回ったとみられる。

 カプセル内の試料コンテナには砂などを採取する三つの小部屋がある。このうち昨年2月の第1回着陸の採取試料を保管する「A室」を開封し、黒い砂粒を確認。試料は小部屋だけではなくコンテナの底でも見つかった。昨年7月の第2回着陸で採取した地下試料を保管する「C室」の開封は年明け以降の見通し。(共同)