Friday, October 17, 2025 7:15 AM
米商工会議所、H-1Bビザ手数料引き上げでトランプに反旗
米商工会議所は16日、専門技能を持つ外国人向けの就労ビザ(入国査証)「H-1B」の手数料を巡り、トランプ大統領が10万ドルへの大幅引き上げを表明したのは、大統領権限を逸脱し違法だとしてワシントンDCの連邦裁判所に提訴した。
ロイターによると、30万社が加盟する米最大の企業団体である商工会議所が、トランプ氏の政策に反対する訴えを起こしたのは第2次トランプ政権発足以来初めて。
トランプ氏は9月、新規のH-1B手数料を従来の20倍以上となる10万ドルに引き上げる布告に署名した。商工会議所は訴状で、手数料の引き上げは大統領の権限を越えており、議会が制度化した複雑なビザ制度を混乱させると主張している。
H-1Bプログラムは、米国の雇用主に専門分野で外国人を雇えるようにする制度で、特にテクノロジー企業は同ビザを取得した労働者に大きく依存している。年間で6万5000件のビザが提供されており、高度な学位を持つ労働者にはさらに2万件のビザが提供される。有効期間は3〜6年間。
手数料が引き上げられてしまうと、H-1Bプログラムに依存する企業は人件費を大幅に引き上げるか、高技能労働者の雇用を減らすかの選択を迫られることになると商議所は主張した。
ホワイトハウスはコメント要請に応じていない。
H-1Bやその他の就労ビザプログラムに反対する人々は、この制度が米国人労働者を人件費の安い外国人に置き換える目的で使われることが多いと批判する。しかし業界団体や大手企業は、H-1Bビザは資格を持つ米国人労働者の不足に対処するための重要な手段だと主張している。