Tuesday, December 15, 2020 9:34 AM

存続危機の杉原記念館支援 寄付金、1000万円超える

 【モスクワ共同】第2次大戦中に多数のユダヤ難民を「命のビザ」で救った外交官杉原千畝がビザを発給した地であるリトアニア中部カウナスの「杉原記念館」が新型コロナウイルスの影響で存続の危機に陥り、苦境を知った日本の有志が募った寄付金約1050万円の贈呈式が15日、オンラインで行われた。

 クラウドファンディングで呼び掛けた寄付金は、約2カ月で目標額の800万円を上回った。式では、山崎史郎駐リトアニア大使がリトアニア側に寄付金目録を授与。ヤヌライティス館長(64)は「杉原氏の気高い偉業を伝えるのが記念館の目的。窮状を救ってくれた皆さまの支援に心から感謝する」と述べた。

 杉原記念館は、1939〜40年に日本領事館の建物として使用。杉原は40年夏、駐カウナス領事代理としてナチス・ドイツの迫害を逃れたユダヤ難民に2000通以上の日本通過ビザを発給した。戦後は一般家屋として使用されてきたが、地元実業家らが99年に基金を創設し、翌年に杉原の功績を紹介する記念館としてオープンした。