Wednesday, December 16, 2020 7:52 AM

豪、中国をWTO提訴へ 大麦への高関税巡り

 【シドニー共同=板井和也】オーストラリアのバーミンガム貿易相は16日記者会見し、中国がオーストラリア産大麦に高率の関税を課して輸入を制限したのは不当だとして世界貿易機関(WTO)に提訴する方針を明らかにした。中国は大麦以外にもオーストラリア産品の輸入を次々に制限するなど圧力を強めており、オーストラリアが反発した形だ。

 オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国。地元メディアなどによると、大麦も中国が最大の輸出先で、昨年の輸出規模は6億豪ドル(約470億円)相当。オーストラリアの農家には深刻な影響が出ていた。バーミンガム氏は「これはオーストラリアが取るべき論理的かつ適切な次のステップだ」と述べ、自国の生産者を守る意向を示した。

 中国は5月、オーストラリア産大麦が不当に安い価格で販売されているとして、税率73.6%の反ダンピング(不当廉売)関税を課すと発表した。中国の国内産業が実質的な損害を被ったと主張し、補助金分に当たる相殺関税も税率6.9%で課すとした。