Friday, December 18, 2020 8:41 AM

人口移動でニューヨーク市民の年収340億ドル減少?

 新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、ニューヨーク市では比較的高所得層が市外に流出し、新しく低所得層が流入したという調査結果を、位置分析会社ユナキャスト(Unacast)が発表した。この結果、市民の総所得が大幅に減っているという。

 ロイター通信によると、ユナキャストの推定では、2020年はニューヨーク都市圏の人口が7万人の純減となり、総所得は約340億ドル下がる見込みだ。匿名化された携帯電話の位置データを基に同社が分析したところ、ニューヨーク市では20年1月1日〜12月7日に約357万人が転出し、より平均所得の低い約350万人が転入した。

 ユナキャストの共同創設者でCEOのトーマス・ウォーレ氏は「流出規模は言われているほど大きくはない。多分それより大きな影響は、いかに人口が変わり、人口構成が変化するかだろう」と話す。同氏によると、マンハッタンのダウンタウンにある裕福なトライベッカ地区の場合、20年に転出した人々の平均年収は約14万ドル、転入者の平均年収は8万2000ドルだという。