Monday, January 11, 2021 9:16 AM

パイナップル廃棄物からドローン部品製作

 マレーシアの研究者らがこのほど、通常は廃棄されるパイナップルの葉の繊維をドローン(無人飛行機)のフレームに使える強靭な素材に変える方法を開発した。

 ロイター通信によると、同国プトラ大学のモハメド・スルタン教授が率いる研究班は、首都クアラルンプール近郊の農家のパイナップル廃棄物の持続可能な利用法として、ドローンの部品に着目した。

 スルタン氏によると、バイオコンポジット(生分解性複合材)で作られたドローンは、合成繊維でできたドローンよりも重量当たりの強度が高く、安価かつ軽量で、廃棄もより簡単になる。ドローンが損傷した場合、フレームは土に埋めてしまえば2週間で分解される。同素材で試作したドローンは高度1000メートルまで上昇でき、空中に約20分留まっていられたという。

 研究チームは最終的に、農業や上空からの監視のための画像撮影装置として、より大型のドローンを製造したい考えだ。研究に協力するマレーシア無人ドローン活動家協会(Malaysian Unmanned Drones Activist Society)のウィリアム・アルビス氏は「工業や農業を助け、収量を増やして仕事をはるかに楽にすることに貢献するのが私たちの役目だ」と話した。同協会はドローンの設計に手を貸し、助言を提供している。

 2017年に研究が始まるまで、パイナップルの葉や茎は年に1度の収穫後に廃棄されていた。しかし現在、農家らは研究によって廃棄物の用途探しが活発になり、さまざまな技術革新が進んで収入が増えることに期待している。あるパイナップル農家は「新型コロナウイルスによる健康問題や経済的影響によって社会は絶望的な状況にある。収入を増やす以外に道はない」と話している。