Friday, October 14, 2016 10:27 AM

合区導入も「違憲状態」 7月参院選、なお不平等

 「1票の格差」が最大3.08倍で実施された7月の参院選は選挙権の平等に反し違憲だとして、岡山県の有権者が選挙の無効を求めた訴訟の判決で、広島高裁岡山支部は14日、初めて導入された二つの合区による格差是正策でも「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態が残っている」として、違憲状態との判断を示した。格差縮小に向けた国会の取り組みには一定の評価を示し、無効請求は棄却した。原告側は即日上告した。

 二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした一連の訴訟で初の判決。合区解消の動きが浮上する中、格差是正に向けてさらなる投票価値の平等化を国会に迫った形で、次回参院選の制度改革の議論に影響を与えそうだ。

 松本清隆裁判長は、人口の少ない隣接選挙区の合区によって2013年参院選の4.77倍から格差を縮小させた国会の是正策を「都道府県を選挙区の単位とする仕組みを極力維持し、最小限の合区で是正を図ったものだ」と指摘。「著しい不平等状態を解消するには不十分なものと言わざるを得ない」と判断した。(共同)