Tuesday, February 09, 2021 9:08 AM

ブリヂストン、グアユールのゲノム配列解読に成功

 ブリヂストンは、遺伝情報解析企業NRジーン(NRGene、本社イスラエル)との4年間の共同研究の結果、次世代の天然ゴム原料として着目した「グアユール」のゲノム配列の解読に成功した。

 グリーンカー・コングレスによると、ブリヂストンは2017年から、タイヤの原料となる天然ゴム資源の多様化を目的に、NRジーンとグアユールの品種改良に向けたゲノム解析に取り組んだ。グアユールは米南西部からメキシコ北部が原産のキク科の低木で、組織中に熱帯で栽培するパラゴムノキ(ゴムの木)由来のゴムに匹敵する成分を含んでいる。最小限の肥料で育ち、乾いた環境にも耐えられ、両地域で栽培されている他の作物より少ないの水で育つのが特徴。

 ゴムの木は東南アジアに集中し、市場価格も大きく変動するため、ブリヂストンにとっては原料を安定的に確保する上で調達先の多様化が必要になる。

 両社はNRジーンの「DeNovoMAGIC」システムを利用して、特定のグアユールゲノムの再構築に成功した。完全なゲノム配列とすべての遺伝子を解読し、ゴムの含有量など重要な形質の遺伝的背景の理解を深めることが可能になったことで、生産性の高いグアユール育種の加速が期待できるという。

 ブリヂストンは、20年代中にグアユール由来のゴムをタイヤ材料として実用化することを目指す。