Friday, April 09, 2021 9:37 AM

GM、EV用電池コスト削減で知恵絞る

 ゼネラル・モーターズ(GM)は、電気自動車(EV)用バッテリーのコストを下げ、コバルトなど高価な材料への依存を減らすため、バッテリー関連のさまざまな化学反応、技術、製造工程を試している。

 ロイター通信によると、マーク・ルース社長は7日の投資家向け説明会で「シリコン高濃度のリチウム金属負極、固体電池、高電圧電解質、そして2025年ごろに発表する次世代電池アルティアム用電極の乾式処理を実験している」と述べた。

 業界の勝者と敗者を決める戦いは、これまでの馬力競争からEV電池のコストを減らず技術の開発競争に移っている。

 GMは、セル(電池の単体)の生産コストを現在の電力量1キロワット時(kWh)当たり150ドル超から25年までに100ドルをはるかに下回る水準まで下げる目標を掲げている。また、将来のEVバッテリーは100万マイル以上の走行に耐え、充電1回の航続距離は500〜600マイルに達すると予想している。

 GMと韓国LGエナジー・ソリューションが23億ドルで設立した合弁事業は、22年にオハイオ州ローズタウンでGM独自開発のEV電池システム「アルティアム」の生産を開始する予定。この電池の第1世代は「GMCハマー」と「キャデラック・リリック」などGMの新しいEVに搭載され、黒鉛ベースの負極材、ニッケル/コバルト/マンガン/アルミニウム(NCMA)を配合した負極材、および液体電解質を使う。

 GMは25年までに年間100万台のEV生産を目指しており、GMとLGはこの目標達成を支えるため、近くテネシー州に2つ目のEVバッテリー工場を建設する計画を発表するとみられている。

 ルース氏はまた、マサチューセッツの新興バッテリー会社SESへの投資と技術提携について「GMは電池コストを減らし、エネルギー密度を改善してEVの航続距離を延ばす継続的な取り組みにおいて、さまざまな提携や技術に門戸を開いている」と説明した。