Wednesday, April 14, 2021 9:49 AM

大統領のインフラ計画、ガソリン車の段階的廃止は含まれず

 バイデン大統領が打ち出したインフラや気候変動対策を中心とする2兆ドルの成長戦略には、電気自動車(EV)とEV充電網を支えるための1740億ドルと税額控除が含まれているものの、ガソリンエンジン車の段階的廃止は含まれていない。ホワイトハウス高官がロイター通信に語った。

 一部の連邦議員は、2035年にガソリンエンジンの新車販売を終了する計画を発表したカリフォルニア州に追従するよう大統領に呼びかけていたが、ホワイトハウスの高官は「計画に段階的廃止は含まれておらず、現時点で期限の設定はない」と認めた。

 多くの議員や労組関係者は、ガソリン車の段階的廃止が自動車業界の雇用を減らすことを懸念している。全米自動車労働組合(UAW)のロリー・ギャンブル委員長は「グリーン経済への移行は適切に行わないと労働者が不当に苦しむことになる。現実的に見て、電動車への移行を成功させるには、バッテリー技術、燃料補給(EV充電)インフラ、そして市場からの需要という面で長い道のりがある」と述べた。

 気候変動対策を担当するジーナ・マッカーシー大統領補佐官は3月末、自動車業界の上級幹部と電話でこの計画について話し合しあったという。ホワイトハウスによると、バイデン大統領はバッテリーなどEV部品の国内生産を促進するために新しい税額控除を望んでおり、米国製EVの購入に対する新しい消費者リベートと税優遇措置の導入も進める予定だという。

 一方、この計画にはガソリン税の引き上げや車両マイル走行税の導入は含まれず、EVユーザーに道路修理のための連邦資金を負担させる可能性も低い。また大統領は、30年までに全国に50万件のEV充電施設を新設するための助成金と奨励制度、および輸送用のディーゼル車両5万台の入れ替えとスクールバスの20%超の電動化を求めている。