Wednesday, November 12, 2025 6:25 AM

テスラ、「サイバーキャブ」にハンドル追加の可能性

 テスラのロビン・デンホルム会長は、自動運転車(AV)「サイバーキャブ」の設計を見直し、ハンドルとペダルを追加する可能性に言及した。ブルームバーグとのインタビューで語った。

 エレクトレックによると、テスラが2024年に発表したサイバーキャプは、ハンドルもペダルもない2人乗りEVで、設計の段階でイーロン・マスクCEOは「この車両はミラーなし、ペダルなし、ステアリングホイールなしの完全なロボタクシー(自動運転タクシー)として設計しなければならない。われわれはそのリスクを取る。(中略)中途半端な『両生類のカエル』のような車を造るつもりはない」と豪語していた。

 サイバーキャプは、テスラが新しい製造工程「アンボックスト」方式向けに開発した複数の低価格EVの一つだったが、マスクCEOは「自動運転が実現すれば他のモデルは不要になる」として他のモデルは開発を中止した。しかしテスラはいまだに人による監視なしの完全自動運転を実現できておらず、完成時期に関するマスク氏の予測はこれまで何度も外れている。

 テスラは26年にサイバーキャブの量産を開始する計画で、マスク氏は10月下旬の決算発表で「サイバーキャブが今後の生産の伸びの大部分を占める」と述べたが、無人運転技術が完成しない限りそれは実現しない。さらに、最近はAVに関する連邦規制が一部緩和されたものの、ハンドルやペダルのない車両は1社当たり年間最大2500台までしか認可されていない。こうした状況の中、デンホルム会長はブルームバーグに対し「必要ならステアリングホイールとペダルを付けることもできる」と語った。

 テスラは現在、テキサス州オースティン近郊の「ギガファクトリー・テキサス」でサイバーキャブの生産準備を進めている。同社はこの車両をロボタクシー事業向けのクロスオーバーEV「モデルY」よりも低価格な選択肢と位置づけている。