Friday, October 14, 2016 6:01 PM

日本の為替監視を継続 米報告書、円高抑制に不満

 米財務省は14日、主要貿易相手国の通貨政策を分析した外国為替報告書を発表し、前回4月に続き日本を「監視対象」に指定した。輸出企業などに配慮して円の値上がりを抑えようとする日本政府の姿勢に不満も示した。日本は対米の貿易黒字が巨額で円高ドル安になりやすいため、自由な為替相場を阻害していないか注視が必要とした。

 指定は2回目。対象には前回と同じ日本、中国、韓国、台湾、ドイツに加えて、新たにスイスが入った。台湾とスイスは為替介入の規模が大きいことが、他の4カ国は貿易や経常収支の対米黒字が巨額であることが理由となった。自国通貨の相場を誘導する為替操作をしていると認定された国は今回もなかった。

 円相場は9月末までの1年間に対ドルで18・7%値上がりしたものの「市場は円滑に機能していた」と強調。経済や金融の安定に悪影響を及ぼすほどではなかったとの認識を表明した。その上で「日本の当局者は円高を抑えようと再三にわたってコメントを発表した」と不快感を示した。(共同)