Tuesday, September 07, 2021 10:18 AM

CEOの6割が「景気上向く」〜コロナ前水準に回復、KPMG

 大手国際企業の経営者らに世界経済の見通しを尋ねた会計事務所KPMGの最新調査で、「景気は上向く」との答えが新型コロナウイルスのパンデミック以前の水準まで回復した。積極的にM&A(合併・買収)を検討し、成長を加速させる考えであることも分かった。

 ロイター通信によると、調査はオーストラリア、カナダ、中国、フランス、インド、イタリア、日本、スペイン、英国、米国の1325社(年商5億ドル以上)のCEOを対象に、6月29日から8月6日にかけて実施された。コロナ変異株の影響による不確実性は残るものの、経営者の60%は今後3年の世界経済が上向くとの自信を持っており、2021年の早い時期に行われた類似調査の42%から上昇した。

 経営者10人のうち9人近くが、今後3年以内の事業買収を検討していると答えた。KPMGのビル・トーマスCEO兼グローバルチェアマンは「パンデミックを巡る不確実な状況が続いているにもかかわらず、CEOらは世界経済の強力な回復に確信を深めている」と述べた。

 CEOらが会社の成長に対する最大の脅威として見ているのは、回答の多い順にサイバー犯罪、気候変動、サプライチェーンの危機だった。半数以上は、パンデミックの影響としてサプライチェーンが危機にさらされたと回答した。

 回答者の80%近くは、多国籍企業に対するグローバル・ミニマム課税(法人税に世界的な最低税率を設定し、海外子会社の税負担がそれを下回っていたら本国の親会社などにその国の政府が上乗せ課税すること)が成長目標に対する「重大な懸念」だと答えた。

 パンデミックを理由にオフィス面積を縮小すると答えたCEOは、20年8月の調査では66%以上だったが、今回調査では21%にとどまった。また、40%近くが週2〜3日を在宅勤務、それ以外をオフィス勤務とするハイブリッド方式を導入していることも分かった。