Wednesday, September 15, 2021 11:10 AM

グーグル、サプライ・チェーン・ツインを市場投入

 グーグル(Google)は9月14日、新たなグーグル・クラウド・ソリューションのサプライ・チェーン・ツイン(Supply Chain Twin)を発表した。

 サプライ・チェーン・ツインは、各社がデジタル・ツインを構築することを簡便化するソリューションだ。デジタル・ツイン(digital twin)とは、物理的事象をデジタル環境で模擬的に再現することを意味する概念。

 ベンチャービート誌によると、グーグルは同ソリューションによって、膨大な量のデータを自動的に整理することで供給業者や在庫、気象といった各種の事象を含む供給網環境を包括的に把握できるようにするデジタル・ツインを利用会社らが構築できるようにする。

 同社はそれと同時に、サプライ・チェーン・ツインと一緒に使うサプライ・チェーン・プラスというモジュールも発表した。サプライ・チェーン・プラスは、ダッシュボードやデータ分析内容、各種の通知、協業機能をグーグル・ワークスペイスで提供する。

 多くの会社は、自身の供給網に関する包括的または全体的な実態を確認しきれていない。その結果、小売現場での在庫切れや製造現場での消費期限切れが頻繁に起きている。2020年には、在庫切れによる販売機会喪失が1.14兆ドルに達した。

 小売(流通)や消費財製造業界、物流サービス業界の会社らは、サプライ・チェーン・ツインを活用することで、非常に多くのデータ源から集めたデータとその分析結果をもとに、包括的データセットの共有によって供給網の実態を供給業者や取り引き先たちと共有できるようになる。

 同ソリューションは、関係各社の事業所の場所や製品情報、注文内容、在庫管理データを含む各種の事業システムに対応するほか、在庫量や原材料仕入れ状況といった供給業者や取り引き先らのデータも分析対象とする。さらに、気象情報や各種のリスク要因、持続可能性といった供給網に影響を与える要素を公共データ源から集めてデジタル・ツインに反映させる。

https://venturebeat.com/2021/09/14/google-launches-digital-twin-tool-for-logistics-and-manufacturing/