Friday, October 15, 2021 11:15 AM

マイクロソフト、リンクトインを中国から撤退へ

 マイクロソフト(Microsoft)は10月14日、職業人向けソーシャル・ネットワークス事業リンクトイン(LinkedIn)を2021年内に中国市場から撤退させる方針を明らかにした。

 マイクロソフトは、リンクトインを2016年に260億ドル以上で買収している。

 テッククランチ誌によると、同決定は、中国でのあいつぐ技術会社規制強化と米中関係緊張悪化のさなかに公表された。マイクロソフトとリンクトインは2週間前に、中国にいる特定の米国人ジャーナリストたちのプロファイルをブロックする決定をくだしたことで批判されている。

 中国政府および中国共産党の権威主義的要求と事業目標の均衡を保つのに苦労を強いられる米企業は多い。マイクロソフトとリンクトインの場合、中国共産党からの要求に屈して、中国政府にとって都合の悪い人物らの個人プロファイルを遮断するか、中国から去るかの選択を迫られた格好だ。その問題は、時間がたつほど悪化する可能性があるため、同社は中国からの撤退を決めた。

 リンクトインは今回の件をブログ記事として掲載し、中国への進出を2014年に決めたことに触れ、「中国政府からの要求を守りながらも表現の自由を強く支持する」姿勢だったと書いた。しかし、同社は現在、規制強化による事業環境の悪化と非常に厳しい規制遵守要件に直面し、これ以上の事業運営がきわめて困難になった、と撤退理由を説明した。

 習近平政権は近年、技術分野における米国依存からの脱却をさらに強める方針を推進している。そのため、西側先進国の会社らが中国市場で展開する事業の将来をより制限している。現状のままでは、米技術会社らにとって中国での事業運営は難しくなるばかりだ。

 中国共産党の要求を受け入れれば、金のために権威主義に屈した、と自国で批判され、自由資本主義の価値観を押し通せば、中国共産党から制裁を受ける。マイクロソフトとリンクトインは、深刻な打撃を受けるまえに中国から抜け出すことが会社のためだと考えたといえる。

https://techcrunch.com/2021/10/14/microsoft-to-pull-linkedin-from-chinese-market/