Monday, October 25, 2021 9:40 AM

コンクリート業界、炭素排出ネットゼロに向けた目標発表

 セメントとコンクリート製造の世界大手40社で作る団体が、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を25%削減するという目標を発表した。21世紀半ばまでに炭素排出実質ゼロ(ネットゼロ)を実現するための中間目標で、業界として炭素を排出しないエネルギーへの依存を高め、新しい化学および製造技術を取り入れ、炭素の回収に取り組む方針を表明した。

 ロイター通信によると、セメント業界が排出する炭素は世界排出量の約7%を占める。またグローバルセメント・コンクリート協会(GCCA)加盟社は、中国以外で製造されているコンクリートの80%を製造しており、一部は中国国内でも製造している。

 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が31日から英スコットランドで始まるのを前に、多くの企業がCO2排出量に関する誓約を発表している。50年のネットゼロ実現に向けたGCCAの計画には、セメントを固める成分クリンカーに代わる素材の発見、化石燃料の使用量削減、新しい化学反応および製造過程、炭素の回収と貯蔵、コンクリート使用における効率向上、さらに政府への新型コンクリート製造・販売の承認の働きかけ…などが含まれている。

 GCCAのトーマス・ギヨーCEOは、30年までに10カ所に産業規模の炭素回収工場を建設する計画で、費用はGCCAの会員企業が払うと表明。「10年以内にわれわれは炭素回収の技術面での実現可能性だけでなく、経済的実現可能性も証明しなければならない」と語った。