Wednesday, October 27, 2021 12:10 PM

ベライゾン、アマゾンとの提携で人工衛星接続サービスを提供へ

 ベライゾン(Verizon)は、米国内過疎地域向けの固定無線広帯域インターネット接続サービスを拡充するためにアマゾン(Amazon)と提携した。

 テッククランチ誌によると、同提携では、ベライゾンのLTE(4G)と5Gサービスの提供可能地域をアマゾンのプロジェクト・カイパー(Project Kuiper)によって大幅に拡大する。

 プロジェクト・カイパーは、低軌道衛星群によって地球規模の広帯域接続サービスを提供可能にする事業。アマゾンは、クラウド・サービスのアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)を基盤にして同サービスを2021年9月から提供している。

 ベライゾンとアマゾンは、統一された高速無線インターネット・アクセス・サービスを今回の提携によって世界中の産業界に提供することを視野に入れいている。おもな標的市場としては農業や物流が挙げられる。

 両社は現在、米国内過疎地に高速衛星接続サービスを提供するための技術的要件の確認と検証を進めている。

 同提携によるサービス開始時期については明らかにされていない。アマゾンは、プロジェクト・カイパーでの複数の人工衛星打ち上げ計画を最終化したばかり。打ち上げ予定の人工衛星群の半数は2026年までに軌道に乗り、残る半数は2029年7月までに稼働開始する見通しだ。

 両社による今回の提携には、「敵の敵は味方」という側面がある。アマゾンとベライゾンは、スペイスエックス(SpaceX=Space Exploration Technologies Corp.)が進めているスターリンク(Starlink)事業と競争しなければならない。人工衛星基盤の高速無線接続サービスであるスターリンクは同市場を牽引しており、今後も劇的に拡充される予定だ。そのため、アマゾンとベライゾンはスターリンクに対抗して顧客流出を防がなければならない。スターリンクは、大口の顧客としてグーグルをすでに獲得したと発表している。

 スペイスエックスは、カリフォルニア州ホーソーンを拠点とする宇宙開発向け製造および輸送および通信サービス新興大手で、イーロン・マスク氏によって2002年に立ち上げられた。

https://techcrunch.com/2021/10/26/verizon-partners-with-amazon-to-offer-satellite-internet-in-rural-areas/