Thursday, December 23, 2021 3:01 AM

航空会社ら、外国渡航者向け「健康パスポート」を提供

 新型コロナウイルス・パンデミックからの正常化にともなって外国人の出入国再開が本格化し始めた矢先に、変異種のオミクロン株が広まり始め、各国は新たな対策や規制をあいついで打ち出している。しかし、そういった状況でも外国渡航しようとする人たちは非常に多い。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、その背景の一つには、予防接種や検査の記録、そのほかの重要書類を管理できるようにするモバイル・アプリケーションやウェブサイトが次々に登場し、各種の制限や規制への対応を簡便化するデジタル・ツールの浸透がある。それらのツールは一般に、デジタル・ヘルス・パス(digital health pass)やヘルス・パスポート(health passport)と呼ばれ、政府機関や自治体、新興企業のほか航空会社らも提供している。

 現在、外国に行く際には、ワクチン接種済みやコーヴィッド(Covid)検査での陰性を証明する必要がある。インターノヴァ・トラベル・グループ(Internova Travel Group)の提携先関係担当上席副社長ピーター・ヴリタス氏は、「それらの審査は航空会社に委ねられている」が、標準的なアプリケーションが存在しないのが実情だ、と話す。

 そのため、利用者らは、航空券を購入したらすぐに渡航先の入国要件を満たすために必要な書類をまとめておけるアプリケーションやそのほかのツールがあるかどうか、航空会社に確認するのが賢明だ。

 アメリカン航空の場合、「ヴェリフライ(VeriFLY)」というアプリケーションを利用客らが使うことで、予防接種の状況や検査結果、そのほかの渡航関連書類を簡単に保存および認証できるようにしている。ヴェリフライは、ブリティッシュ航空やそのほかいくつかの提携航空会社の便にも対応している。

 一方、エミレーツ航空やヴァージン・アトランティック航空は、業界団体の国際航空運送協会(International Air Transport Association)が開発したモバイル・アプリケーション「IATAトラヴェル・パス(Travel Pass)」の運用に加わり、同アプリケーションを試験運用中だ。

 かたやユナイテッド航空は、予防接種や検査の記録をアップロードできる「トラヴェル=レディー・センター(Travel-Ready Center)」というアプリケーションを提供している。また、デルタ航空は、必要なすべての健康データを利用客らがアップロードできるオンライン書類「フライ・レディー(Fly Ready)」を使っている。

https://www.wsj.com/articles/covid-vaccination-health-passports-airline-travel-11639772064?mod=tech_listb_pos2