Thursday, January 13, 2022 11:25 AM

ロボティック・アーム、配送サービス市場でますます活躍

 倉庫や配送センターで商品を仕分けしたり選んだりするピッキング作業に、ますます多くのロボティック・アームが使われるようになっている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、技術進歩と労働力不足がピッキング作業自動化の動きをあと押ししている。ロボットが近い将来に完全に作業員に取って代わることはないとみられるが、機械視認(コンピュータ・ヴィジョン)や機械学習を活用した最新の機械腕が活躍の場を拡大させていく動きは加速する見通しだ。

 スポーツ用品大手のプーマ(Puma)は、カリフォルニア州トーランスにある配送センターで衣類や靴のオンライン注文に対応するのに複数の機械腕を使っている。

 プーマが使っているのはニンブル・ロボティクス(Nimble Robotics)の技術だ。ニンブルのロボティック・アームは、ベスト・バイ(Best Buy)やヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)といった小売チェーン大手にも導入されている。

 ニンブルの技術は、カメラとグリップ(手)、人工知能を活かして、大きな箱に入った商品を特定しながらつかみ取り、別の自動システムに乗せる。それらの商品は、待ち受ける作業員の作業場に送られる。ピッキング・ロボットが問題に直面した場合には、ニンブルの遠隔操作担当者が解決する。

 プーマの米国事業部門で供給網管理責任者を務めるヘルムート・レイブラント氏によると、同ロボットの作業精度は約99%で人間と同等だ。しかも二つのシフト勤務を連続でこなすことができる。

 ソフトバンク傘下のSBロジスティクスが2021年に千葉県市川市に開設した配送センターは、ソフトバンクが投資しているバークシャー・グレイ(Berkshire Grey)のロボットを使ってピッキング作業を自動化した。

 市場調査会社インタラクト・アナリシス(Interact Analysis)のアッシュ・シャーマ氏によると、ピッキング作業を自動化するロボティック・アームは、「配送作業自動化市場の全体に占める割り合いとして現時点では非常に小さいが、急速に成長している」。その市場規模は、2021年の1億3700万ドルから2025年には13億4000万ドルに達すると予想される。配送作業自動化市場全体の総額は2021年に360億ドル弱だったと同社は見積もっている。

https://www.wsj.com/articles/robotic-arms-are-using-machine-learning-to-reach-deeper-into-distribution-11641852537