Thursday, February 24, 2022 7:00 AM

世界のランサムウェア攻撃、21年は2倍以上に

 2021年に世界で発生したランサムウェア(身代金要求型不正ソフト)攻撃が前年比105%増の6億件超に上ったことが、サイバーセキュリティー会社ソニックウォール(SonicWall)の最新データで明らかになった。

 ベンチャービート誌によると、20年はランサムウェア攻撃の激増、悪質化、高度化が目立った年だったが、21年はさらに2倍以上に増えた。ソニックウォールのビル・コナー社長兼CEOは、サイバー犯罪者らにとってランサムウェアが「攻撃手段の主な選択肢」として地位を劇的に高めたことを意味すると話した。

 同社のデータは、調査報告書「2022 SonicWall Cyber Threat Report」で発表された。同調査は、同社の顧客基盤(50万社以上)に関する遠隔測定データと、同社の脅威調査班が運用するハニーポットといった基幹設備からのデータにもとづく。

 ソニックウォールによると、21年も米国がランサムウェア攻撃の標的として圧倒的に多く、約68%が米国を標的とする攻撃だった。ただ、ランサムウェア攻撃の増加率は欧州主要国の方が圧倒的に高く、ドイツでは3256%増、英国は227%増を記録した。

 ソニックウォールによると、ランサムウェアの種類では「リューク(Ryuk)」が1位に返り咲いた。21年のランサムウェア攻撃に占めるリュークまたはリューク系の割合は30%を占めた。ただしその割合は前年の36%から下がった。

 一方、サイバーセキュリティー技術会社クラウドストライク(CrowdStrike)によると、21年のランサムウェア攻撃の身代金要求額(平均)は前年比36%増の610万ドルに拡大した。