Wednesday, October 19, 2016 10:18 AM

4回転「新時代」に ジャンプの進歩、急加速

 フィギュアスケートは21日から始まるグランプリ(GP)シリーズ第1戦のスケートアメリカでシーズンが本格化する。平昌冬季五輪を来季に控え、大きな注目を集めるのは男子の4回転ジャンプの多様化だ。ソチ五輪王者の羽生結弦(ANA)が9月末の今季初戦でループを世界で初めて成功したことで、前向きから4回転半するクワッドアクセル以外の全種類をトップ選手たちが操る新時代に突入する。

 初めて4回転ジャンプを決めたのは、1988年のカート・ブラウニング(カナダ)で、基礎点も最も低いトーループだった。サルコーはその10年後の98年、難度の高いルッツは2011年に初成功者が出た。いずれも10年単位の時間がかかったが、ここにきてその進歩は急加速した。ことし4月に宇野昌磨(中京大)がフリップを初成功させると、羽生がループを決めたのはわずか約5カ月後だった。

 一気に多種類の大技に挑む時代になった背景について、羽生や世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)を指導するブライアン・オーサー・コーチは「若い選手がハビやユヅがこれだけ4回転を跳んでいるのを見ているからだろう」と指摘する。「4回転に成功し、そして勝っている。若い選手たちが『自分たちのやらなければいけないことは、これだ』と考えている」。基礎点も高い4回転を何度も跳ぶことが勝利への近道となる。こうした現状が、果敢な挑戦を後押ししているという。(共同)