Tuesday, April 26, 2022 6:47 AM

ブリヂストン、ランザテックと提携〜古タイヤ再生技術の開発で

 ブリヂストンは、廃棄物から回収した炭素を再利用するランザテック(LanzaTech、イリノイ州)と独占的パートナーシップを締結した。使用済みタイヤ専用のリサイクル工程を開発し、タイヤのバリューチェーン全体で脱炭素化に取り組む。

 ランザテックは、廃棄物から炭素を回収し、燃料、繊維、包装材などの資源として再利用している。

 持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)傘下にあり、世界のタイヤ大手10社でつくるタイヤ産業プロジェクト(TIP)によると、世界では毎年10億本を超えるタイヤが再利用されることなく役割りを終えると推定されている。このため両社は、使用済みタイヤをリサイクルして原材料に戻すための新しいビジネスモデルの構築と、再生資源の普及促進に取り組んでいく。

 具体的には、ランザテックの炭素回収およびガス発酵技術を用いて、使用済みタイヤからエタノールなどの化学品を製造し、包装用の樹脂(ポリエチレンテレフタレート=PET)やポリエステル糸、洗濯用洗剤など日用品に使われる界面活性剤などの原材料として再利用する。

 さらに、使用済みタイヤからタイヤの材料の一つである合成ゴムの素原料となるブタジエンを効率的に製造するため、微生物を用いた独自の発酵技術の開発に向けて共同で探索を進める。

 ブリヂストンは、2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を達成して、100%再生可能な材料からタイヤを製造することを目指している。