Tuesday, May 17, 2022 6:49 AM

ストアドット、5分で100マイルの急速充電を実証

 電気自動車(EV)向けの超急速充電(XFC)電池を開発するイスラエルの新興企業ストアドット(StoreDot)は、同国で開催された「エコモーション・ウィーク2022」で、フルスケールのEV電池にわずか5分で100マイル走行が可能なエネルギーを充電できる技術を実証した。

 「エコモーション・ウィーク」は、ゼネラル・モーターズ(GM)、ボルボ、フォード、コンチネンタル、ルノー・日産・三菱連合、現代自動車など自動車業界大手が一堂に会した国際イベント。

 ストアドットのプレスリリースによると、実演では中国のEV電池メーカー、EVEエナジーが生産した300×100ミリメートル(mm)のパウチ(小袋)型電池1個を使い、10分の制限時間内に実演用に設定した0%から80%の容量目標を上回る20アンペア時(Ah)まで充電し、5分間の充電で100マイルの航続距離を追加できる充電率を維持した。

 また、電池の温度が33℃を超えることはなく、同社のエンジニアが電池性能を最適に発揮させるために設定した推奨動作温度を大幅に下回った。

 ストアドットは、戦略的技術ロードマップ(開発計画)「100inX」に基づき、まず2024年までに5分で100マイル分の電気を蓄えられる電池機能(100in5)を提供し、28年までには3分(100in3)、32年までに2分の充電で同じ距離を達成(100in2)して、航続距離と充電場所に関する消費者の不安を取り除くことを目指している。

 今回の実演は、同社が野心的な技術ロードマップの新しい節目を無事通過したことを意味し、研究開発担当のヤロン・ファイン副社長は「集中的な開発プログラムによって、連続1200回以上の超急速充電サイクルが可能な電池は既に完成しており、年内にはEVサイズの電池で1000回以上の充放電達成を目指している。24年までに100in5、32年までに100in2を達成するという究極の目標に到達するための態勢を維持している」と話した。

 スウェーデンのボルボ・カーズは4月、VC部門ボルボ・カーズ・テック・ファンドを通じてストアドットに出資した。これでボルボはEV電池技術でストアドットと緊密に協力する機会を確保し、ストアドットはボルボとの共同作業を通じて、技術の市場投入までの時間短縮を目指している。