Wednesday, October 19, 2016 10:21 AM

訪日客消費額が前年割れ 4年9月ぶり、爆買い沈静

 観光庁は19日、7〜9月の訪日外国人旅行者の消費額は9717億円で、前年同期比2.9%減だったと発表した。前年同期を下回るのは、2011年10〜12月期以来、4年9カ月ぶり。昨年に比べ為替が大きく円高に振れ、中国や香港の旅行者が家電製品やブランド品を購入する「爆買い」が沈静化したためだ。訪日客の行動は都市部中心の買い物から、自然や伝統文化を楽しむ体験型観光へ重点が移っており、地方の観光地には好機となりそうだ。

 9月の訪日客数は前年同月比19.0%増の推計191万8000人で、9月として過去最高。1〜9月の累計は1797万8000人となった。消費額は減ったが、訪日客数は増加が続いており、観光庁の田村明比古長官は記者会見で、初の年間2000万人に「遅くとも11月初旬には達する」との見方を明らかにした。

 消費額を使い道別で見ると、「買い物代」が前年同期比17.0%減の3354億円に縮小。一方で「宿泊料金」は7.1%増の2792億円、「飲食費」は11.1%増の2047億円と拡大し、買い物以外へのシフトを示した。

 1人当たりの消費額は17.1%減の15万5133円。売れ筋が高額品から消耗品に移っており、都市部の百貨店などに大きな打撃となっている。(共同)