Friday, June 03, 2022 7:15 AM

モービルアイ、自動運転用に新チップ「EyeQ6」を発表

 半導体大手インテルの自動運転技術部門モービルアイ(Mobileye、イスラエル)は、先進運転支援システム(ADAS)向けに最新世代のシステム・オン・チップ(SoC)「EyeQ6」を発表した。

 同社の公式ブログによると、EyeQ6は比較的低いTOPS(1TOPSは毎秒1兆回の演算)でコンピュータービジョン性能を提供し、消費電力も少なく、費用対効果に優れている。

 EyeQ6には、中核となるADAS向けの高効率な「EyeQ6 Lite(EyeQ6L)」と、プレミアムADAS向けの集中型チップ「EyeQ6 High(EyeQ6H)」の2種類があり、それぞれ異なるタイプのADAS向けに設計されている。

 EyeQ6Lは、高性能、低消費電力、高コスト効率で、レベル1〜2の運転支援に対応する。最も中心的なADAS機能のすべてを扱うことができるシングルボックスのフロントガラス・ソリューションで、「EyeQ4 Mid」の4.5倍の演算能力を持つが消費電力は同じで、デバイスの大きさはほぼ半分。

 一方、EyeQ6Hは、プレミアム運転支援および部分的な自律走行電算プラットフォーム向けで、従来の「EyeQ5H」の3倍の演算能力を持ちつつ、消費電力はわずか25%増にとどまる。EyeQ6Hには、専用の画像信号処理装置(ISP)、画像処理装置(GPU)、ビデオエンコーダーが組み込まれており、2022年内には最初のサンプル出荷、24年末までには量産開始を予定している。

 モービルアイは、07年に第1世代の生産を開始して以来、これまでに1億個以上の「EyeQ」製品を供給しており、最近はイスラエルでハンズフリー(手放し)操作を行うため同社の自律走行車に「トゥルー・リダンダンシー」センシング・システムを装備すると発表した。25年に生産開始を予定している新しいAVオンチップ「EyeQ Ultra」と合わせて、EyeQ製品は先進的で専門性と拡張性を備えた新世代の車載用SoCを構成し、モビリティの進化を促進すると期待される。

https://www.mobileye.com/blog/eyeq6-system-on-chip/