Tuesday, June 14, 2022 6:52 AM
AMTEとビリテック、FCV共同開発で基本合意
リチウムイオン電池およびナトリウムイオン電池を開発・製造する英国のAMTEパワー(AMTE Power)と、先進的な水素パワートレイン開発の英ビリテック(Viritech)は、燃料電池車(FCV)の開発支援に関する覚書(MoU)を締結した。
AMTEのプレスリリースによると、両社の合意は、大型貨物トラック、小型商用車(LCV)、船舶、航空、分散型給電システム、およびビリテックの「アプリケール(Apricale)」を含む高性能FCV開発プロジェクトに使われるビリテックの電池パックに、AMTEの超高出力(UHP)電池を供給する本契約を目標としている。
AMTEパワーのケビン・ブランディッシュCEOは「水素燃料電池車への移行には電池が本質的に欠かせない。当社のUHP電池は、電池化学を入念に改良しており、ビリテックのパワートレインの出力、重量、安全性に関する特定の要件を満たすことができ、この提携に最適だ。今回の提携は、自動車製造における英国の競争力を維持しながら、EV業界のネットゼロエミッションへの移行を助ける」と話している。
ビリテックのパワートレインは、水素燃料電池と高性能なリチウムイオン電池の組み合わせによって点火時、加速時、上り坂を走行する際に追加の電力を提供し、電池システムの小型化・軽量化も可能にする。リチウムイオン電池の充電は、燃料電池と回生ブレーキで行う。
同社の水素パワートレイン技術は、ハイパーカーの旗艦モデル「アプリケール」の中核をなす。一方、AMTEの特許技術を組み込んだUHPリチウムイオン電池は、高性能自動車市場を念頭に設計されており、現在は英国電池産業化センター(UKBIC)で大型化と性能の試験が進められている。
水素燃料電池技術は、電気自動車(EV)に代わるゼロエミッション交通手段と考えられ、AMTEパワーによると、リチウムイオン電池駆動よりも高出力・高性能車における重量や充電時間に関する課題を軽減できる。
英国の先進推進技術センター(APC)は、経済の脱化石燃料化に伴い世界のFCV市場は急速に拡大し、販売台数が2030年には100万台、40年には1000万台を超えると予測している。
https://amtepower.com/amte-power-and-viritech-to-collaborate-on-hydrogen-hypercars/