Thursday, September 22, 2022 6:55 AM

ポールスター、ヘクスポルと提携〜炭素排出ゼロの車開発で

 ボルボ・カーズの高級電気自動車(EV)部門ポールスター(Polestar)は、完全に環境ニュートラル(温室効果ガス排出量が実質ゼロ)な車の開発を目指すプロジェクト「ポールスター・ゼロ(Polestar 0)」の一部として、スウェーデンのプラスチック製品大手ヘクスポルTPE(Hexpol TPE)と提携した。

 ヘクスポルのプレスリリースによると、同社のトーマス・ニルソン・マネジングディレクターは「このプロジェクトは非常に刺激的で、ポリマー業界のシステム変革を実現するという当社の取り組みと合致する。真の変化をもたらすには、かつてない規模で協力する必要がある。両社はすでに作業を始めており、今後の展開に期待している」と話している。

 ゼロ・プロジェクトでは、熱可塑性エラストマー(TPE)やソフトポリマーコンパウンド分野に関するヘクスポルの専門知識と資源を活用し、バイオベースやリサイクル素材の可能性を広げる研究のほか、二酸化炭素(CO2)を出さない物流ソリューションの調査、すべての主要な排出源を特定するためのサプライチェーン・マッピングなどを行なう。

 2030年までにオフセット(相殺の手段)を使用せずに気候変動に全く影響を与えない初の自動車を製造することを目標にしており、プロジェクトの一部として、原材料の生産から顧客への納車、使用済み車両の処理まであらゆる段階で温室効果ガスの排出量を追跡、排除する予定だ。

 ポールスターが3月に発表したEVのコンセプトカー「O2」は、発泡材、接着剤、3Dニットファイバー、不織布ラミネートなど全ての柔らかい内装素材を、再生ポリエステルを主原料とする素材で作成した。同社はこの方法によって重量と廃棄物をできる限り抑えつつ、資源の再利用を可能にしてより循環型のシステムへの移行を目指している。同社は、ダウンサイクリング(元の材料より価値の低い物に再生)ではなく材料の再利用を信条としている。