Tuesday, September 27, 2022 6:48 AM

サーバソリューションズと6K、電池用正極材製造の合弁設立

 電池のリサイクル業者サーバ・ソリューションズ(Cirba Solutions、ミシガン州)は、リチウムイオン電池の循環型管理を実現するため、プラズマ製造システム開発の6K(マサチューセッツ州)と合弁会社を設立して再生電池用の正極材を製造する。

 グリーンカー・コングレスによると、サーバ・ソリューションズは、使用済み電池や製造スクラップの回収、こん包、輸送、素材改良のための物流・処理方法の開発で数十年の経験を持つ。6Kは「UniMelt(ユニメルト)」プラズマシステムを使って積層造形(立体印刷)や蓄電システム向けの持続可能な先端材料を製造している。

 両社は今回の提携を通じて、電池製造業界に安全で安定したリサイクル正極材の供給源を提供し、米国内での持続可能なサプライチェーン(供給網)の構築を支援する。6KのUniMeltシステムは、マサチューセッツ工科大学で開発されたマイクロ波プラズマ製造プロセスを利用しており、多くの電池材料を他のどの工程より速く、環境を汚さず低コストで製造できる。

 6Kは、最先端の正極活物質(CAM)工場より温室効果ガス(GHG)の排出量が非常に少なく、固体・液体廃棄物を出さず、水の使用量を90%削減し、世界平均との比較で50%のコスト削減を実現している。同社のアーロン・ベントCEOによると、UniMeltシステムは、効率の悪いケミカル共沈プロセスを、温度6000ケルビン(K)のマイクロ波プラズマを利用した数秒の工程に置き換える。サーバとの合弁では、両社の革新的な技能を活用し、次世代電池材料を供給しながら、海外からの衝撃やサプライチェーンの混乱から米国を守る国内サプライチェーンの構築を目指す。

 両社は、リサイクル材料から業界基準を満たすNMC(ニッケル、マンガン、コバルト)パウダーを製造するCAM to CAM(正極活物質の再生)プロセスの実証に成功しており、この循環型の手法によって自動車メーカー、電池メーカー、正極材メーカーに製品を継続的に提供する。