Thursday, October 20, 2016 10:22 AM

南シナ海対立、棚上げ合意 フィリピン大統領が歩み寄り

 中国の習近平国家主席とフィリピンのドゥテルテ大統領は20日、北京の人民大会堂で初の首脳会談を行い、南シナ海における中国の主権主張を退けた7月の仲裁裁判所の判断を「一時的に棚上げ」することで合意し、2国間協議の再開で一致した。中国の劉振民外務次官らが明らかにした。

 国際的な司法判断が「無効化」され、中国の強引な海洋進出を警戒し国際法の順守を求めてきた日米にとって打撃となる。東南アジア諸国連合(ASEAN)で対中最強硬派のフィリピンが中国に大きく歩み寄ったことで、南シナ海問題の転換点となるのは必至だ。

 ロイター通信などによると、約400人のフィリピン経済界関係者が同行しており、フィリピンのロペス貿易産業相は20日、北京のビジネス会合で、今回の大統領訪問中、中国側と総額135億ドル(約1兆4000億円)の契約が結ばれるとの見通しを示した。(共同)