Wednesday, November 09, 2022 5:59 AM

鴻海、EVローズタウンに1.7億ドル追加出資へ

 台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業グループは7日、新興電気自動車(EV)メーカーのローズタウン・モーターズ(Lordstown Motors、オハイオ州)に追加出資すると発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、鴻海は今回、1億7000万ドルを出資してローズタウンの普通株式などを購入する。ローズタウンは最近、オハイオの旧ゼネラル・モーターズ(GM)工場で同社初の完全電動ピックアップ・トラック「エンデュアランス」の製造を開始している。

 両社は、新しいEVモデルの共同開発にも取り組むという。ローズタウンは、株式売却で得た資金を、エンジニアの雇用や最初の「エンデュアランス」500台分の製造などに充てる予定。

 ローズタウンは2019年、電動トラックを製造するため閉鎖中の旧GM工場を購入して話題になった。GMは当時、地域の大型雇用主だった工場を長期閉鎖したことでドナルド・トランプ前大統領から批判されていた。ローズタウンは、車を1台も売ったことがないにもかかわらず特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場し、資金を調達した多くのEV新興企業の一つで、こうした企業の多くはその後製造や財務に問題を抱えて低迷している。

 ローズタウンも、初の電動トラック発売が何度か遅れたほか、21年には先行予約の台数について投資家を誤解させたと非難され、証券取引委員会(SEC)の調査を受けたことで創業者で当時のCEOだったスティーブ・バーンズ氏が退任した。同社はその後、オハイオの自動車工場を鴻海に売却し、鴻海から5000万ドルの出資を受けた。

 鴻海からの追加出資は、連邦当局の対米外国投資委員会(CFIUS)の承認が必要で、資金は分割して支払われる予定だという。取引完了後、鴻海はローズタウンの発行済み優先株式の全てと、普通株の18.3%(プロフォーマベース)を保有し、取締役2人の任命権を得る。Cfiusの承認手続きは3〜4カ月かかると見込まれている。