Friday, December 23, 2022 11:53 AM

売り上げサイクル管理技術が医療業界にもたらす利点

 医療機関の事務仕事を人工知能によって効率化する動きが加速している。

 ベンチャービート誌によると、その種の技術は、売り上げサイクル管理(revenue cycle management=RCM)技術と呼ばれており、チェンジ・ヘルスケア(Change Healthcare)といった医療業務向けソリューション会社らが病院や診療所向けのプラットフォームを提供している。

 患者の診療予約や登録から保険請求まで、医療機関は各種の業務過程で膨大な量のデータを生成している。既存の業務の流れに人工知能やアルゴリズムを導入することで、反復の多い処理過程を自動化できるだけでなく、患者と従業員の行動に関する洞察を導き出して、売り上げや利益を伸ばせる可能性がある。

 「人工知能の効果は、売り上げサイクル全体にわたって感じられる」と、チェンジ・ヘルスケアの人工知能製品管理担当副社長コーシク・ロイ氏は話している。たとえば、診察前に保険会社から承認を受ける手続きだけでも、「年間数千億ドルという経費削減の市場機会がある」という。

 RCMに人工知能を活用することで、請求をはじめ反復的な業務を自動化して集金までの時間を短縮できる。その間にも人工知能が背景(仕事の裏)でデータを取り込んで学習していくため、次の作業にかかる時間が継続的に短縮される。

 人工知能による業務処理過程の単純化は複雑な技術だ。ロイ氏によると、特に医療業界にはそれがあてはまり、顧客との協力関係が欠かせない。現場業務の知識を持った医療従事者らが、データ科学者や工学者たちと連携する必要がある。

 医療機関が内部に十分な技術専門部隊をすでに整備している場合、既製の技術を購入すべきか、内部で構築すべきかを議論して決めればよい。しかし、成熟した人工知能専門班が内部になければ、外部の力を借りることで技術導入を加速させられる可能性がある。

 外部の支援を活用するにあたって、「小さいけれども重要な問題、かつ価値がよく定義された問題から始めて、まずはその取り組みで成功を収め、そこから拡大していくことだ」とロイ氏は述べた。

https://venturebeat.com/ai/the-opportunities-ai-is-unlocking-for-healthcare-operations/