Friday, January 13, 2023 5:53 AM

米世帯はEV利用で燃料費削減可能〜ミシガン大の調査

 車を所有する米世帯の9割以上が電気自動車(EV)に乗り換えれば、収入に占める交通エネルギー代の割合が減り、温室効果ガスの排出量も減らせるという調査結果を、ミシガン大学の研究者らが発表した。

 ロイター通信によると、地域によってはEVの新車を購入することで世帯の交通エネルギー代が年間600ドル以上減るという。しかし、低所得層ではEV用のエネルギー負担が非常に大きく、830万世帯と推定される国内の低所得世帯の半数以上は、今後も高い交通エネルギー代に直面する見込み。

 一部でEVの節約効果が低い要因としては、車載電池の性能に影響する冬の寒さ、化石燃料に大きく依存する電力系統(グリッド)、電気料金などがある。

 運輸省によると、米世帯は2021年、平均1万961ドルを交通費に費やした。ただ、所得層を5つに分けた場合、最下位の世帯は交通費の額が最も少ないが、税引き後所得に占める交通費の割合は27%で、所得最上位の世帯の10.4%を上回った。

 調査報告書をまとめたミシガン大学サステイナブル・システムズ・センターのグレッグ・キオレイアン所長は「われわれの分析では、低所得世帯の交通エネルギー負担の軽減といったEVの利点がどこまで実現するかは、将来のグリッド脱炭素化、現在および将来の燃料価格、充電施設の利用しやすさなどに影響されることが示された」と話している。

 今回の分析には、一般的に従来のガソリン車より高価なEVの車両購入費用は含まれていない。