Tuesday, January 31, 2023 3:58 AM

ディープエル、法人向けの人工知能翻訳サービスに照準

 人工知能基盤の言語翻訳ウェブサイトを運営するディープエル(DeepL、ドイツのケルン拠点)は1月12日、法人向け翻訳サービスを本格的に強化すると同時に、資金調達によって1億ドル以上の新たな資金を確保したことを明らかにした。

 言語翻訳機能は、多国籍企業のほか、人口や労働力の越境流動性の高まり、さまざまのオンライン・サービスの無国境化といった動向を受けてますます重要な機能と位置づけられるようになった。

 ディープエルが今回確保した投資額は明らかにされていないが、1億ドルを軽く超える額と報じられている。今回の資金調達によって、同社の評価額は10億ドルをはるかに超えたとみられる。

 ベンチャービート誌によると、基本的な言語翻訳オンライン機能は、グーグル翻訳に代表されるサービスによって約20年前から一般化している。しかし、文字通りの意味だけでなく、適切な含みや文脈を正確に反映した業務用途としては、人工知能による自動翻訳は課題をまだ抱えている。

 2017年に立ち上げられたディープエルは、深層神経回路網(deep neural networks)を基盤とする人工知能技術を着実に進化させてきた。

 同社のヤロースワフ・カティロフスキーCEOは、今回の調達資金を人工知能の基礎研究に投じ、新しい製品分野にも進出し、法人市場の開拓に注力する、と話した。

 同分野では、グーグルを筆頭に、マイクロソフトやメタ・プラットフォームスが性能向上に取り組んでいる。

 カティロフスキー氏は、ディープエルの翻訳技術について詳細を公表できない、と話したが、「品質を最大化するための深層神経回路網の設計方法をつねに限界に押し広げてきており、今後もそれを続ける」と説明した。

 同氏によると、ディープエルは、会社らが各種の書類や資料、やりとりの翻訳に際して直面する問題を解決する高性能の翻訳ソリューションを提供することをねらっている。多くの会社では、たとえば事業の国際展開に際し事業の現地化に時間がかかりすぎ、拡張性にも限界があるという壁に多々直面する。法人向け高性能翻訳機能によってそれらを大幅に解消できる、と同氏は考えている。

 「ディープエルの翻訳ツールによって、販促や法務、そのほかのあらゆる業務や仕事を国や言語に関係なく、また、高い料金を払って専門集団に依頼することなく、国際展開できるようになる」と同氏は述べた。

https://venturebeat.com/ai/deepl-targets-ai-translation-for-enterprises-with-fresh-100-million/